モンステラを茎伏せで増やす方法は、他の増やし方より一番簡単です。モンステラの株の一部を切り出して増やす点では、水挿しや挿し木と同じですが、切り出して使えるところが多いというところが簡単と言える理由です。当記事では、モンステラを茎伏せで増やす方法と失敗例について紹介いたします。
モンステラを茎伏せで増やす方法
モンステラの茎伏せで使うのは、節の部分です。節とは、元々葉が生えていて残った白い部分のことです。
モンステラの新しい根や茎は、緑々しい緑色の茎からニョキッと生えてくることはなくこの節から出てきます。茎伏せとは、この節を土に寝かせて根を生えさせる方法です。したがって、この節1つあればその数だけ株を増やすことができます。鉢に張った土の上のスペースも限りがあるので、この節ごとにモンステラの茎を切りましょう。
気根があると根を出しやすい!
ニョキッと茶色いツルのようなものが節から出ている節もあるかと思いますが、このツルのようなものを気根と言います。空気中の水蒸気や空気そのものを吸ったりしますが、水分を多く吸ってしまったときなどは水を出したり調節したりもします。水挿しではこの気根から白い根を生やし、その後は完全に根としての役割を果たすこととなります。このように、モンステラにおいて気根はとても重要な役割を担います。
茎伏せにおいて、気根はどのような役割を持つでしょか。それは、水挿しで増やすときと同様、気根から根を伸ばし、その後も根として地中を張り巡らせるようになります。つまり、茎伏せにおいても気根はとても重要な役割を果たすこととなります。では、気根がない節はどうなのでしょうか。万が一気根がなくても、節から直接根が生えるため大きな問題ではないですが、気根がない節と気根がある節では、気根がある方が早く確実に根を生やして成長しやすいです。とはいえ、気根がないからといってその節を捨てる必要はなく、他と同様に土の上に起き、発根するのを待ちましょう。
気根が短い茎は発根しなかった!
今回茎伏せしたのは4つでしたが、結果的に2つの茎から発根し、残り2つは発根しませんでした。発根しなかった茎の気根は3cmほどで短く、水をうまく吸収できなかったものと思われます。気根が短くても茎伏せから発根させることは可能ですが、気根が常に土や水苔に触れて水を吸収できる状態にしておかなければなりません。その分、気根が長いと割と簡単に土や水苔に触れさせやすく、あまり気にかけなくても発根しました。
モンステラの茎伏せで使う土
観葉植物の土であればOKですが、さし芽種まきの土を使うとより良いでしょう。また、発根して芽を生やした後の水はけや通気性のことも考え、鉢の下には鉢底石を敷くようにしましょう。モンステラは比較的強い観葉植物ですが、水の与えすぎにより弱ってしまうこともあります。鉢底石で水はけをよくしておくと良いでしょう。
モンステラの茎伏せでは土より水苔の方が発根・発芽しやすい
土の上に乗せたけど、なかなか根を生やさないんだよな…と悩む方も少なくないようです。また、土の上に置くより水苔の方がすぐ根が出てきたという声もあるほどです。水苔は土より水を含んだ状態でキープされるので、根のないモンステラが反応しやすいのではないかと思われます。もし、すぐにモンステラを茎伏せで増やしたいという方は、水苔を使うことをオススメします。
最初の根を生やすまでは水苔で生えさせ、ある程度根が出てきたら土に植え替える作戦です。普通の鉢の水苔を張るとたくさん量を消費してもったいないので、水受けに水苔を張り、湿らせてモンステラの茎を乗せています。
モンステラの節を鉢に並べる
節ごとに切り出したモンステラの茎を、土または水苔の上に並べましょう。鉢のサイズに応じて節の数をコントロールすると良いでしょう。あまり敷き詰めすぎると、生長した先に根が多くなりすぎて根詰まりする原因ともなるので、5cm程度間隔を開けて並べてあげるとちょうど良いかと思います。茎を横に倒すようにしておき、下半分が土または水苔の中に埋まるように置きましょう。
モンステラを茎伏せして発根するまでにかかる日数
土を使うか水苔を使うか、また気根がある節とない節に違いはありますが、早くて2週間ほどで発根します。土だと発根したことを確認することが難しいかもしれませんが、水苔だと簡単に確認できますね。
発根してすぐ、茎伏せを開始して3週間後くらいに、茎から他の茎の色より薄い黄緑の凸としたのが現れます。新しい茎が出てくる気配が出てきました。
2ヶ月後には新芽が開き、根っこもニョキニョキ
2ヶ月も経つと気根から生えた根っこもかなり長く伸びました。ここまで茎が生えれば、土に植えた方がより早く健康に生長するでしょう。まだ小さいですが、すでに新芽の葉が開き、新しい株へと生長しようとしています。
まだ葉が開いていない新芽ですが、土植えで生長を促し、一気に葉を広げてもらえるように土植えします。土植えした瞬間はこれまでの茎伏せよりも水分吸収の効率が落ちてしまうので、土が乾くまでまたず少々多めに水を与えて育てます。
モンステラの茎伏せで失敗する原因
土を使うか水苔を使うかのところで少し説明しましたが、与える水の量によってしっかり根を出してくれるかどうかがかかっています。特に土の場合は乾燥してしまうと茎にうまく水が吸収されず、生長を促すことができないことがあります。そういう意味では、水が滞留しやすい水苔だと、土よりは乾燥しにくい上、ちょうど良い水分量となり、うまく茎へ水の吸収を促すことができると思います。一度土の上でモンステラの茎伏せを試して失敗したという方は、一度水苔に敷き直して試してみてはいかがでしょうか。
モンステラを茎伏せは土の代わりに水苔を使うと失敗しにくい
モンステラの節を使って茎伏せで増やす方法では、水のコントロールがとても重要であることが分かります。日中不在により水分量を常にコントロールすることは難しいと思いますので、土よりは水分量をキープできる水苔が茎伏せには最適かと思います。ぜひ、お試しください。
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