100円ショップやホームセンターで手に入れたガジュマルを育てていると、葉や枝は生えるもののなかなか上へ伸びないと感じることがあります。ガジュマルは木なので、大きく生長するまでには長い期間が必要であることは理解しているのですが、それにしてもやっぱり少しくらいは大きくなっても良いですよね。当記事では、ガジュマルを上へ伸ばしたい方へ、大きくする方法を紹介します。
ガジュマルの背丈を大きくするには、幹の先端がカットされていないことが前提
今まで100円ショップやホームセンター、園芸ショップで見かけたガジュマルのほとんどが、幹の先端がカットされているように思います。ガジュマルに限らず、パキラや幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)のような木は、ほとんどが先端でカットされています。木が大きくなるとメンテナンスが大変になるなど様々な理由から先端がカットされているものと思われますが、これでは購入した時以上にガジュマルを大きく育てることはできません。
幹がカットされていても脇芽が伸びる
木の根幹である幹がカットされると、それ以上幹が伸びることはありません。切断された幹が再生することもないです。しかし、その切断面の横、すなわち脇から新たな芽が生え、脇芽が新たな根幹となって大きく生長しようとします。ガジュマルと似たような観葉植物・パキラにおいて、太い幹の切断面の横に新たな脇芽が生長している姿がこちらの写真です。
ガジュマルは、幹がカットされると気根を太くしようとする
植物が生長しようとするのは、雨風や虫・動物などによる外的要因で折れたりしてしまわないようにするためにあります。背丈を大きくすることができれば頑丈さが増し、多少風が強くても折れにくくなり、例え虫や動物のほじくり返されても他の枝木で補うことができます。しかし、幹がカットされると大きくなることができなくなるので、他の方法で生命力を高めるしかありません。ガジュマルは、幹がカットされると気根を太くします。
ガジュマルといえば、あの太い大根のような脚が印象的ですが、あの土の上にはみ出しているのは根っこではなく気根。しかし、あの太い脚のような気根はすべてのガジュマルが持つものではなく、幹がカットされたもののみ、あの姿になります。つまり、上に伸びることができなくなったガジュマルだけが太い脚のような気根を持つということです。
上の写真は、まだ上に生長過程にあるガジュマルです。水耕栽培中なので分かりにくいですが、お馴染みの太い脚はなく、得られた栄養はすべて上に伸びる枝葉に消費されているのが伺えます。自然界で生息する大きくなった木を見ても、同じことが言えます。
我々が知るガジュマルの木の姿から想像すると、もっとプクッと太くなった脚のような姿を想像しますが、全く違う姿がゆえに言われないとこれがガジュマルと特定することも難しいですね。確かに、気根らしきものが無数に生えていますが、いつものプクプクした可愛い大根のような気根ではないです。
幹がカットされていないガジュマルを育てよう
ガジュマルは幹がカットされていることでそれ以上背丈は伸びないものの、その代わりに気根を太くしようとすることが分かりました。ということは、お店で買えるガジュマルはもう上に大きくすることはできないのでしょうか?いえ、方法は2つあります。
大型の木を売る観葉植物・園芸店のガジュマルは幹がカットされていないことがある
100円ショップやホームセンターではなく、パキラやセロームといった大型に生長した観葉植物を扱う園芸ショップなら、幹がカットされておらず上へ生長過程にあるガジュマルを手に入れることができます。例えば、関東圏であれば東京都江戸川区のワールドガーデン西小岩店では、気根がプクッと膨れていない、すなわち幹がカットされていないガジュマルが置いてあることを確認しました(2021年7月時点)。それも、5本以上店頭に並んでいるのを見たところから、こちらのお店でもよく購入される人気の木なのでしょう。木の先端がカットされていないため、購入後もガジュマルが上に伸び、大きく生長させることが可能ですね。
ガジュマルの枝を使って新しいガジュマルとして育てる
少し年月は必要としてしまいますが、幹の先端がカットされてしまっているガジュマルから枝を剪定し、その剪定した枝を使用して新しいガジュマルを育てるという手があります。カットした枝を土に植えたり、水に挿すことで根っこを生やし、新しい株として生長します。これはガジュマルを増やす際に使われる方法で、土に植える方法を挿し木(さしき)、水に挿す方法を水挿しや水耕栽培と呼びます。ガジュマルをはじめとした観葉植物の木は剪定した枝から発根させることが少し難しいですが、その中でも比較的初心者でも成功しやすいのが水挿しです。当記事では、水挿しして発根させる方法を紹介します。
剪定したガジュマルの枝を水挿しにして発根させる方法
剪定した枝を水に挿れるだけなのですが、少しコツがあるのでひとつずつ紹介します。
ガジュマルの枝を剪定
比較的健康的な枝葉をカットしましょう。古い枝葉より新しい枝葉の方が健康的で生命力に富んでいるため、発根する確率が高いです。カットする際には枝の根元をカットします。
カットしたガジュマルの枝を水に入れます。カットした枝先周りから発根してくるので、水に浸るようにしましょう。
ガジュマルの枝の水挿し開始2週間後に発根
枝を水に入れてから約1週間後には、枝周りに白い点々とした根っこらしきものが見えてきます。生長期である春から夏にかけてと、冬とではガジュマルの生長スピードが違うので少々のラグがあるかも分かりませんが、だいたい平均して2週間ほどで発根が確認できます。
水挿しには水耕栽培用肥料を入れよう
発根に一度成功すると簡単に思える水挿しですが、最初はなかなか発根せず成功しないことも多々あります。その発根を成功させる確率を上げてくれるのが水耕栽培用肥料。水道水だけでは十分なミネラル成分が確保できず、植物に必要な栄養が不十分となってしまいがち。そこで、水耕栽培用肥料を少し入れるとその不足分を補うことができます。水耕栽培用肥料はハイポニカがとても人気でオススメです。
根っこが伸びてきたら土植えしよう
そのまま水挿しで育てることも可能ですが、根っこが生えた後は土に植えた方がその生長をより促すことができます。植物は根っこから水分だけではなく、空気を吸うことでより効率的に栄養を枝葉へ送ることが可能となります。水挿しにしていることで水分は十分に確保できますが、根っこから空気を吸うことができないので、土植えのほうが良いとされています。
観葉植物にはゴールデン粒状培養土がオススメ
観葉植物向けの土が多数販売されていますが、土が粒状になっていることで土の中に適度な空間が生まれ、植物の効率的な生長を促すことができるゴールデン粒状培養土がオススメ。また、ゴールデン粒状培養土は無機質な土のため、コバエの餌となる有機物を含まず、コバエの発生を抑えることができます。
先端カットされていないガジュマルでより大きく育てよう
ガジュマルの魅力はなんといっても足元に膨らむプクッと膨らんだ気根ですが、背丈を伸ばして大きくなったガジュマルもとても魅力的です。背丈を大きくしようとすることで足元の気根はプクッと膨れにくくなりますが、それでもやっぱり土の上で伸びる気根が魅力的なガジュマル。幹の先端がカットされていないガジュマルを手に入れる方法もありますが、100円ショップやホームセンターで手に入れたガジュマルから1本枝を拝借し、一から育てて大きくしていくガジュマルの生長を見守るのもとても楽しく感じることができ、オススメです。ぜひ、お試しください。
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