剪定したパキラの枝葉を土に植えると、新たな株として生長します。しかし、剪定したばかりのパキラには根っこがないため、土に挿し木しても枝の付け根からちゃんと根っこが生えてくるかは状況次第。より確実に発根させるなら、その挿し木を水挿しにする水耕栽培だと成功確率がグッと上がります。当記事では、パキラの水耕栽培による増やし方を紹介します。
パキラを増やす時の剪定場所
パキラを増やすためには、剪定する場所が重要です。葉っぱの付け根ではなく、枝の付け根で切るようにしましょう。実際に根っこが生えてくるのはこの枝の付け根からなので、水挿ししやすいよう枝が長いものを剪定すると良いでしょう。
古い枝葉より新しい枝葉を新しい株として使うと良い
剪定というと、通常は古い枝葉を切ることがほとんどです。古い枝葉を切ることでパキラ自身が新しい枝葉を生えさせ伸ばすようになります。しかし、新しい株にする際には、極力生命力が富んでいる新しい枝葉を剪定しましょう。根っこがない状態から根っこを生やし、新しい茎、枝、葉を伸ばすためにはそれなりの生命力が必要です。古くて枯れそうな枝葉よりは、新しい枝葉の方がその確率は上がるでしょう。
切ったパキラを水耕栽培にする
最初はそこまで大きな容器ではなく、浅い小さな皿に剪定したパキラの付け根を水に浸けるだけでOKです。
葉っぱの半分をカットする
剪定したばかりのパキラの水耕栽培では、枝や葉に十分な水分量を吸い上げるための根っこがありません。通常、観葉植物は吸い上げた水分を葉っぱから蒸発させていますが、この蒸発を半減させることで吸い上げる必要のある水分量を少なくします。すべての葉っぱを半分の長さにカットし、水分の蒸発料を少なくしてあげましょう。
水の入れ替え、継ぎ足しを忘れずに
枝の付け根が水に浸っていれば良いですが、付け根部分だけではなく枝の途中部分からも発根します。よって、枝ができるだけ水に浸るように、こまめに水の継ぎ足しをしてあげてください。パキラからの吸い上げ意外にも容器から直接水分が蒸発するので、放置しすぎるとパキラの枝が水に浸っていないなんてことになりかねません。注意しましょう。
水耕栽培用肥料を入れる
水道水にはミネラルが含まれますが、観葉植物が生長するための栄養としては不十分のため、水耕栽培用肥料を与えましょう。水の入れ替えのたびに肥料もいれましょう。
日当たりの良い場所に置く
パキラは直射日光が当たらない、レースのカーテン越しの窓際のような明るい日陰を好みます。しっかり光合成させて栄養を確保させるためにも、明るい日陰に置いてしっかり発根させましょう。
パキラを増やすなら春から秋にかけて
パキラは高温多湿な熱帯地域に生息しています。日本の冬は低温乾燥で、そのまま気にかけてあげないと弱ってしまうような環境です。日当たりの良い窓際は冬になると冷たい外気の影響で低温乾燥となる場所です。できる限り温度と湿度が高い場所に移してあげるなどしましょう。なお、冬は繁殖できるような環境下でもないため、パキラを増やすのもオススメできません。暖かく湿度も上がる春を待って増やすようにしましょう。
パキラが発根するまでの日数
水耕栽培だと早くて3週間、通常なら1ヶ月ほどかかる
枝の先端を水に浸けてから、ポツポツと白い粒が出てくるまでに2週間、それが根っこだと確実に認識できるほどの長さになるまでに約3週間かかりました。土に植えていると発根しているのか確認できませんが、透明のカップやペットボトルを使用して水耕栽培で発根を促すと、ちゃんと発根しているか確認することができますね。
発根1ヶ月半で土に植え替え
上の写真のパキラはとても細い枝で発根させましたが、できれば新しいパキラの株は大きく太くしたいと思い、太い枝で大きな葉をつけていた枝を剪定し、発根させることとしました。結果、発根こそ1ヶ月ほど時間を要しましたが、発根してからの生長が早く、1.5ヶ月で土植えに十分な根っこが伸びました。
発根させて根っこを伸ばすことが目的の水耕栽培ですが、1.5ヶ月の間、根っこを伸ばすだけでなく葉っぱもたくさん生えました。ここでは根っこが伸びるだけで十分なのですが、それだけ生命力が豊かな枝を剪定した証拠ですね。
水耕栽培で根が伸びたパキラを土に植え替える
水耕栽培で発根させたパキラも、発根した根っこが10cm以上伸び、それも数本以上生えたので土に植え替えることとしました。
室内で育てるので、土はゴールデン粒状培養土を使用します。観葉植物を土植えするのに色々な土を使ってきましたが、水はけやコバエ対策にゴールデン粒状培養土を上回る土はありませんでした。
水耕栽培から土に植え替え後の数週間は比較的多めに水を与えます。水耕栽培でずっと水の中に浸っていた根っこが、急に土に植えられることで水分吸収の効率が変わり、これまでより水分吸収しにくくなるためです。徐々に土から水分吸収することに慣らすことで枯れずに生長してくれます。
パキラの挿し木は水耕栽培で行うと発根しやすい
挿し木は土の中に剪定したパキラを直接挿す方法ですが、ただでさえ根っこがない状態の上に土の中となると十分な水分を確保することが難しくなります。それに代わり水挿しのような水耕栽培だと、根っこはなくとも常に水に浸っているため、根っこがなくても直接水分を吸収できる環境下となります。挿し木で土に植えるよりは、発根して根っこが長くなるまでは水耕栽培で育てると良いでしょう。ぜひ、お試しください。
コメント