世の中のマイノリティーである左利きの割合は、人口の約10%と言われています。普段何気なく生活をしていて意識をした事のない方も多いかもしれませんが、左利きでしか気付けないこともあります。この記事では、左利きの方が「あるある」と思って頂けることをまとめてみました。
左利きあるある:幼少期編
最近ではあまり無いようですが、20年位前までは左利きの人は右利きに強制されられる事が当たり前でした。家でも学校でも、左利きであることは間違いであるように教育をされます。そんな幼少期を過ごされた左利きの皆様は下記のような思いをされた経験があるのではないでしょうか?
文字は左から右へ書くという文化が許せない
ノートへ文字を書くと、手の裏側がインクで汚れます。なぜなら文字は左から右へ書くからです。皆んな汚れるものだと思っていましたが、よく考えたら左利きだからだという事に気付くのが幼少期の頃です。大人になった今でも非常に厄介な悩みですよね。ちなみにヘブライ語やアラビア語は右から左へ書くため少し羨ましく感じます。
下記の記事で、左利きの方がノートを使う時に手を汚さないテクニックを紹介しているので、まだ読まれていない方は是非参考にしてみて下さい。
習字の授業が辛い
「日本語は右手で書くように作られている」という説?のせいで、当時は習字は右手で書くように指導をされます。美しさを求める習字という科目において、わざわざ利き手と反対の手で書き、美しさから遠ざける意味がよく分かりませんでした。思うように文字を書けないというもどかしさは左利きにしか分からない苦悩ですよね。
給食当番でのスープ担当はもっと辛い
まん丸のおたまであれば全く問題はないのですが、スープなどを注ぎやすくするために、先が尖っているタイプのおたま(レードル)が使えません。厳密には使えるのですが、スープの量を均等に注ぐ事ができません。一応左利き用のレードルもあるみたいですが、私が通っていた小学校には無かったです。
横並びで食事をする時は左端を選択しがち
楽しい遠足はお弁当も楽しい時間です。友達とベンチに座り、仲良く横並びで座るのですが、この時右側に座ると箸を持つ側の腕が右利きの友達の腕とぶつかります。「このような場合は左側に行かなくては」と無意識に左端に行く事が習慣化されます。大人になった今でも、お店のカウンターなどに座る時は、左端を選んでしまいますよね。
こうしてクロスドミナンスが完成する
このような教育を受けて育った左利きの皆様は、「特定の分野においては右利き」というちょっとカッコイイ人間になります。例えば「文字は右手が書くが、お箸は左手」といった具合です。このような方の事は「両利き」とは言わず「クロドミナンス」と呼びます。このような方は結構多いみたいです。
左利きあるある:日常生活編
続いて、日常生活ではどのような左利きあるあるがあるのかを紹介していきます。
サインを求められる時にペンを右手側に渡してくるので気まずい
「クレジットカードの署名」や「契約書のサイン」の時などが多いでしょうか。親切心からだと思うのですが、店員さんは必ず右手側にペンを渡してきますよね。そして左手で受け取ろうとすると、ちょっと気まずい雰囲気が流れます。
ボールペンがすぐに出にくくなる
買ったばかりのボールペンのインクが出なくなってしまったという経験はないでしょうか?もしかしたら、それは左利きである事が原因かもしれません。ボールペンは右利き用に設計されているため、左利きの方がボールペンを使うと先端のボールが詰まりやすくなるようです。
「ハサミあるよ?」が余計なお世話
親切心から仰ってくれているということは非常によくわかるのですが、天下の右利き様が普段ご使用になられているハサミは、我々左利きには非常に使いにくいのです。手でカットしているのは、ハサミが無いからではなく、右利き用のハサミを使うくらいなら手で切った方が綺麗に切れるからです。
「あれ?左利き?」と言われるのが面倒くさい
幼少期から言われ続けられる言葉ですので、中学生くらいなると、正直もうリアクションするのが面倒くさいです。クラス替えの時期、新卒の時、部署移動の時、事ある毎に「あれ?左利き?」タイムが到来します。ただ、意識をしている人に言われると大変嬉しく、左利きで良かったと心から思います。
左利きは天才という大きな誤解
例えば「サウスポー(左利き)」はスポーツにとってかなり有利である事が多いです。そのため、左利きであるという事だけで、かなりのご期待をして頂けるのです。しかし、左利きであることは天才ということにはなりません。右利き様が思われている勝手な誤解により、常に我々左利きは常に過度な期待をされられ続けて生きています。
右と左がわからなくなる時がある
「お箸を持つ手が右」と教わってきた左利きは、右と左がよく分からないまま大人になってしまっています。瞬時に「右見て!」と言われると、左を見てしまうのが左利きの習性です。
左利きあるある:スマホ編
YouTubeの広告スキップで親指がつりそうになる
世の中のインターネットサービスもほとんどが右利き仕様になっています。ユーザーインターフェースと呼ばれる、いわゆるタップするボタンの配置などです。最近はスマホもサイズが大きくなってきていることも相まって、例えば、YouTubeの「広告スキップ」ボタンを押そうとすると親指がつりそうになるのです。右手を使えば良いのですが、電車などでは右手でつり革を掴んでいるのでお手上げです。
手帳型のスマホカバーの選択肢が少ない
パタパタ広げる、手帳型のスマホカバーは、落下時に画面が傷付きにくくて優秀です。量販店などに行くと様々なラインナップがありますが、全て右利き仕様です。左利きの方はネット通販で売られているものしか選ぶ自由はありません。
左利きを見つけるのが少し楽しい
これは私だけかもしれませんが、左手だけでスマホを操作している人を見つけると「お!」と思います。数少ない仲間を見つけたような気がして、なんだか暖かい気持ちになります。
左利きあるある:仕事編
電話機を移動する
自分のデスクに配置されている電話機ですが、デフォルトで右側にあることが多いです。右手でダイアルを押すのが非常に難しい上に、右耳に押し当てても、受話器が微妙にずれてしまい、ベストポジションを探すのに時間がかかります。そのため、電話機を左側へ移動させる方も多いのではないでしょうか。
左利きに不利な職業もある
仕事で使う用品は、会社が用意してくれます。しかし、それらは全て右利きのために開発されているものです。私の左利き仲間の例では、
- 美容師:左利き用のハサミが高級すぎる
- 料理人:左利き用の包丁は自腹で購入した
という事があったようです。左利きだと、仕事をするためにも余計にお金が掛かってしまうということもあるようですね。
左利きしかできない特技が身に付く
先に紹介しましたように、左利きの方は特定の分野だけ右利きの「クロスドミナンス」である場合が多いです。パソコンを操作するマウスが代表例で、学校や会社には「左利き用のマウス」が無い事がほとんどなので、マウスは右手で操作をする事ができます。
これにより、
- 右手でマウスを操作しながら、左手で文字を書ける
- 右手でマウスを操作しながら、左手でご飯を食べれる
という右利きには絶対に行えない特技を身につける事ができます。
左利きであることを実はあまり不便に感じていない
ある程度年齢を重ねると、右利きのために作り上げられたこの世界で生きていくために、自然と対応力が身につくものです。気付けば、自分が左利きであることを忘れるくらい生活に慣れていきます。右利きの皆様は「大変だね」と言ってくれますが、正直別に大変だと思っていない事が多いです。あまりにも普通に生活ができるので、母親にですら「そう言えばあなた左利きだったわね」と言われるくらいです。
ただ、やはりどうしても納得できない事が「左利き専用の用品は高価」である事ではないでしょうか?普通に生活をするだけなのに、右利きの人よりもお金がかかってしまうのはなんだか勿体なく感じてしまいます。左利き専用の用品も、普通の商品(右利き用)と同じくらいの価格で購入できる時代が来る事を願っています。
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