ヒポエステスは葉っぱが鮮やかで、ホームセンターでも1つの苗が200円前後で買えるほど安く人気の観葉植物です。葉っぱだけでも白やピンク、赤といった鮮やかさを持ちながら、さらには花まで咲きます。しかし、植物にとって花を咲かせるのはそれなりに栄養を必要とするため、ただ育てているだけでは花が咲きません。当記事では、ヒポエステスに花を咲かせるために必要な育て方を紹介します。
ヒポエステスを土植えすること
最近では、ハイドロカルチャーや水挿しといった初心者でも簡単に育てることができる手法が流行っています。しかし、本来土から生えている植物は、土植えされていることでその生長力、生命力を最大に発揮します。一般的に植物の根っこは水分を吸い上げるためだけに存在していると思われがちですが、実は根っこから空気も吸っています。土の中にある小さな隙間に侵入してくる空気をも根っこから吸うことで、植物に必要な栄養を吸収しています。水挿しのような水耕栽培だと、根っこは完全に水中に浸ってしまうので、空気を吸うことができません。野菜農家ではこの土の中に効率的な空気濃度をコントロールし、最も効率的な空気濃度を作ることができる土壌環境作りを研究しているほどです。ヒポエステスに花を咲かせたいという場合には、土植えすることでその可能性を最大限に高めることができるでしょう。
土植えと水挿しを比較
同じポットに植えられていたヒポエステスを、それぞれ土植えと水挿しで育て方を変え、生長を見比べてみました。すると、土植え側はたくさんの花を咲かせ、水挿し側は大きくはなれど花を咲かせませんでした。
花が小さくて見にくいかも分かりませんが、左のヒポエステスは土植えして1ヶ月経過したころに花を咲かせました。右側の水挿しは、葉っぱが多く色鮮やかな色を出しつつも、花は咲かせることがありませんでした。やはり、土植えの方がヒポエステスにとって生長しやすい環境であることが分かります。
適度な空間が生まれやすい土に植えること
土選びは植物の生長にとても大事なことの一つです。とはいえ、一から自分で土を調合したりするほど知識もなければ労力もかけたくありません。あらゆる市販の土を試してきましたが、値段的にもコスパが良く植物がしっかり生長すると実感できたのは、ゴールデン粒状培養土でした。ゴールデン粒状培養土には野菜・花用と観葉植物用の二種類がありますが、どちらを使っても観葉植物がしっかり育つことを確認できました。ゴールデン粒状培養土は、土を手に取るととても分かりやすいのですが、その名のとおり粒状になっています。この粒が土の中で適度な隙間を生み、空気が侵入しやすくなっています。
また、人工的に作られた無機物のため、コバエが餌とする有機物を含まないことからコバエが土の中から湧きにくいという特性も持ちます。「観葉植物用の土」と書かれた土を使ってしまいがちですが、ゴールデン粒状培養土以外の土を使ったことでコバエの大量発生や白絹病菌など大変な思いをしてきました。赤玉土で土の表面を覆うことで害虫発生防止になるとも言いますが、最近では赤玉土を覆うことすら必要としないゴールデン粒状培養土は観葉植物を育てるときに使用する土として一択となっています。
日光が大好きなヒポエステス
ヒポエステスは日光がとても大好きな観葉植物です。直射日光が当たると葉焼けする観葉植物が多い中、ヒポエステスは直射日光が当たるとより鮮やかな葉色になります。そのくらい日光が好きなので、日中の中でも特に日当たりが良い場所に置くと良いでしょう。花が咲いたヒポエステスも、直射日光が当たるところではなかったですが、一日の中でもずっと明るい日陰の室内に置いていました。
天気が良い日は外に置く
室内だとなかなか日当たりがずっと良い環境を作りにくいということもあるので、天気が良い日はベランダや庭など外に出し、しっかり日光を浴びる日があっても良いかと思います。室内にあることで部屋の雰囲気も良くしてくれるヒポエステスなので、花を咲かせる・咲かせないとは関係なしに葉色を鮮やかにするためにもできる限り日光を浴びさせたいところです。例えば、天気が良い日で家にいない外出する際には、外に出しておでかけするのも良いでしょう。
ヒポエステスが花を咲かせる時期
ヒポエステスの生長期は春から夏にかけての5〜7月で、花もこの頃に咲かせやすいです。上に生長して大きくするのもこの時期となるので、できる限りこの時期に大きく育て、多くの花を咲かせるよう育てましょう。
葉っぱだけでも色鮮やかでその場の雰囲気を明るくしてくれるヒポエステスですが、さらには花まで咲かせてくれる可愛い観葉植物。パッと大きく開く花ではなく、筒状で少し控えめに咲く花がさらにその愛おしさを増してくれます。ぜひ、花を咲かせてみてください。
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